電動スライダ EZSシリーズ
モーター部に高効率・省エネルギーなαSTEP ARシリーズ、AZシリーズを搭載。スライダ部はストレートタイプと折返しタイプの2種類をご用意。ステンレスシートを採用した簡易防塵構造によって異物の侵入を防止し、発塵も抑制します。
当社生産設備の実例からワーク処理装置(直交ロボット・昇降旋回ユニット)を取り上げ、製品選定のポイントを解説します。
あわせて、装置設計をサポートするためのサービスをご案内します。ご検討の際は、お気軽にご相談ください。
コンベヤによって搬送されたワークへ自動で液体塗布をおこなう装置です。
コンベヤから流れてきたワークを加工位置に合わせて昇降旋回ユニットで上昇旋回し、直交ロボット(ガントリユニット)でさまざまなサイズや形状のワーク処理をおこないます。
今回の装置ではディスペンサによる液体塗布に使用していますが、他の用途にも応用できます。
●直交ロボット(ガントリユニット)
軸数 | 3軸 | ||
---|---|---|---|
軸1(x) | 軸2(y) | 軸3(z) | |
ストローク | 250mm | 100mm | 50mm |
最高速度※1 | 340mm/s | 400mm/s | 85.7mm/s |
最大可搬質量※2 | 1.5kg | ||
繰り返し位置決め精度 | ±0.02mm | ||
主電源※3 | 単相100V |
●昇降旋回ユニット
軸数 | 2軸 |
---|---|
ストローク | 100mm |
ワークの最大可搬質量 | 0.8kg (機構含めると最大3.0kg) |
最高速度※1 | 80mm/s |
繰り返し位置決め精度 | ±0.02mm |
主電源※3 | 単相100V |
さまざまな種類のワークを同じラインで効率的に処理することが課題でした。ロボットによる自働化を検討しましたが、次のような課題が浮き彫りになり、内製による解決を試みました。
①垂直多関節ロボットは多様なワークに対応できるが、ロボットは想定よりも高額で立ち上げの調整にも時間がかかりそう
②今回のワーク処理では、あらかじめ決まった数種類のワークに対応できればよいため、垂直多関節ロボットではオーバースペック
③ラインに組み込むためにスペースの制限があり、垂直多関節ロボットやスカラロボットでは対応できない
各軸をMECHATROLINK-Ⅲによって制御しています。
品名 | 定価 | (WEBショップ価格) | |||
---|---|---|---|---|---|
軸1
|
![]() |
電動スライダ | EZSM4RD025AZAK | 62,800円 | (53,380円) |
接続ケーブル | CC050VZFA | 8,800円 | (7,480円) | ||
軸2
|
![]() |
電動スライダ | EZSM3RD010AZAK | 55,800円 | (47,430円) |
可動接続ケーブル | CC050VZRA | 11,300円 | (9,600円) | ||
軸3
|
![]() |
電動スライダ | EZSM3LD005AZMK | 69,800円 | (59,330円) |
可動接続ケーブル | CC050VZRBA | 15,300円 | (13,000円) | ||
軸1
軸2
軸3
|
![]() |
多軸ドライバ | AZD3A-KM3 | 106,000円 | (90,100円) |
電源ケーブル(主電源用) | LC03D06A | 1,500円 | (1,270円) | ||
電源ケーブル(制御電源用) | LC02D06A | 1,300円 | (1,100円) | ||
332,600円 | (282,690円) |
品名 | 定価 | (WEBショップ価格) | |||
---|---|---|---|---|---|
軸4
|
![]() |
電動スライダ | EZSM3D010AZMK | 69,800円 | (59,330円) |
接続ケーブルセット | CC050VZFBA | 10,800円 | (9,180円) | ||
軸5
|
![]() |
αSTEP | AZM66AK | 32,000円 | (27,200円) |
可動接続ケーブル | CC050VZRA | 11,300円 | (9,600円) | ||
軸4
軸5
|
![]() |
多軸ドライバ | AZD2B-KM3 | 80,000円 | (68,000円) |
電源ケーブル(主電源用) | LC03D06A | 1,500円 | (1,270円) | ||
電源ケーブル(制御電源用) | LC02D06A | 1,300円 | (1,100円) | ||
206,700円 | (175,680円) |
この装置では、ラインの中に組み込むため、装置自体を小さくする必要がありました。EZSシリーズは高いモーメント荷重を受けられる構造で、片持ちでの駆動も可能です。これによりサポートガイドを用いた門型の構造にする必要がないため省スペース化に貢献します。
スライダの全長が短い折り返しタイプを採用することにより、装置のコンパクト設計を実現しました。これにより、ラインの装置幅の制限に収めることができました。
EZSシリーズは50mm~850mmまで50mm単位でストロークのラインアップをご用意しています。それにより、必要搬送距離や装置の大きさに合わせてx軸、y軸、z軸の組み合わせが可能です。
この装置ではさまざまなワークを処理するため、異なる質量のワークにも対応する必要があります。EZSシリーズはガイドにTHK製のボールリテーナ入りLMガイド※1を採用しています。 それにより薄型ながら最大30kg※2を可搬できます。
この軸では、処理が終わったワークの向きを反転させています。
αSTEP AZシリーズは、モーター後部にバッテリレス機械式アブソリュートセンサ<ABZOセンサ>を搭載。
原点復帰にかかる時間や外部センサによるトラブルの影響がありません。
ワークのサイズや形状により処理がしやすいよう旋回部でワーク位置の調整ができます。αSTEP AZシリーズは、「近回り運転」機能により指定座標へ180°以内の移動ができ、ワーク調整の時間を短縮します。
MECHATROLINK-Ⅲ対応多軸ドライバは上位コントローラによる直線補間、円弧補間運転に対応。さまざまなサイズや形状のワーク処理がおこなえます。多軸ドライバは、MECHATROLINK-Ⅲのほか、EtherCAT、SSCNETⅢ/H対応タイプをご用意しています。
多軸ドライバは、2~4軸までモーターを接続可能です。ドライバを1台に集約できるため、上位機器との接続ケーブルや電源ケーブルなどの省配線化が可能です。
モーター後部にバッテリレス機械式アブソリュートセンサ<ABZOセンサ>を搭載。電源を遮断されても位置情報を保持でき、原点復帰が不要です。軸数が多い場合でも原点復帰の時間を短縮できます。
また、原点復帰が必要な場合にも外部センサを使用していないため、高速で原点復帰をすることができます。
AZシリーズに搭載した機械式アブソリュートセンサ<ABZO(アブゾ)センサ>は常時位置情報の管理ができるため、原点復帰運転に必要だった外部センサを削減できます。この装置では計5軸を動かしているため、5軸分のセンサレスを実現しています。
これにより部品コストや配線時間だけでなく、断線や誤検出といったセンサが原因のトラブルを減らせるためトータルコストダウンに貢献します。
αSTEP AZシリーズは、小型から揃う標準タイプモーターのほか、電磁ブレーキ付、ギヤ付などのラインアップをご用意。また、モーターとアクチュエータを組み付けた機構製品も展開しています。それぞれモーター、ドライバ、ケーブルなどが共通なため、配線、制御、保守部品を統一でき、立ち上げの時間や手間を削減できます。
パソコンでモーターや電動スライダ・シリンダの選定がおこなえるコンテンツをご用意しています。
「電動スライダ選定ソフト」は軸数と運転条件の数値を入力していただくだけで、お客様の使い方に合った製品を選ぶことができます。
その他の機構については、「モーター選定ツール」をご使用ください。
また、専任スタッフがお客様に代わってモーターを選定するサービスもご用意しています。詳細はリンク先をご参照ください。
装置の仕様や外形寸法、動作パターンに関する資料をご用意しています。同様の装置を検討する際にご活用ください。
PLCとの接続および簡単な動作までの流れを説明したセットアップマニュアルをご用意しています。立ち上げ時間の短縮にご活用ください。
〈対象メーカー〉
オムロン株式会社、
株式会社キーエンス、
株式会社日立産機システム、
富士電機株式会社、
三菱電機株式会社、
株式会社安川電機、
シーメンス株式会社
電動アクチュエータの取り付けに使用する周辺プレートのサンプルCADデータを、WEBサイト上でダウンロードできます。装置設計や製品の検討にお役立てください。
「機種」「運転条件」に合わせて目安となる位置決め時間を算出できます。製品選定時のサポートツールとしてご活用ください。
モーターに関するさまざまな疑問やトラブルに対し、お客様の現場にサービスエンジニアがお伺いし対応します。
またオンラインサポートもおこなっておりますので、お気軽にご利用ください。