「コンデンサって、同じ容量ならどれを使っても大丈夫ですか?」
- 学くん
照代さ~ん。先ほどお客様からコンデンサについてのご質問がありました。
- 照代さん
- どんなご質問だったの?
- 学くん
- 「単相動力用モーターを使った装置のメンテナンス中にコンデンサを無くしてしまったので、手元にあるコンデンサでとりあえず代用したいんだけど、大丈夫ですか?」という質問でした。
- 照代さん
- 代用するコンデンサの容量はもともとついていたコンデンサと同じものだったの?
- 学くん
- はい、コンデンサの容量は確認しました。モーター銘板に載っている容量と同じものをお持ちでした。確かコンデンサの容量が大きいとモーターの振動や発熱が大きくなるし、容量が小さいとモーターのトルクが下がってしまうんですよね。
- 照代さん
- そうね。その他にもコンデンサについて確認すべき点があるけど、分かるかな?
- 学くん
- えっ!他に確認することがあるんですか?カタログの仕様一覧には、コンデンサ容量(μF)の記載だけだったので、容量が同じであれば使えると思ったんですが、ダメなんですか?
- 照代さん
- 本当は、モーターに付属されているコンデンサをご使用頂くのがいいんだけど、やむを得ずモーターに付属しているコンデンサ以外のものをお客様が使用される場合には、コンデンサの容量に加えて、定格電圧も同じものを使用して頂く必要があるのよ。定格電圧を超えて使用した場合には、コンデンサが破損して発熱・発火に至る場合があるのよ。
- 学くん
- 定格電圧ですか?定格電圧って、モーターの電源電圧と同じものですか?
- 照代さん
- 違うわよ。よ~く聞いてね。単相動力用モーターは、コンデンサを使って位相差電源を作り、モーターを回転させているの。このとき、位相差電圧によって、コンデンサの端子間に電源電圧の1.5~2倍程度の電圧が加わるの。
- 学くん
- それは大変だ~。お客様のコンデンサが壊れてしまいますね。どうしよう!すぐにお客様にご連絡します。
- 照代さん
- もともとモーターに付属しているコンデンサなら、そのモーターが最良の性能を発揮するように選定されているし、お客様にも安心して使っていただけるわ。付属コンデンサ品名は総合カタログにも掲載されているのよ(下図参照)。モーター購入後のコンデンサの紛失・破損・保守用などの場合には、コンデンサのみの販売もおこなっていることを忘れずにお伝えしてね。
- 学くん
- 分かりました。今後、定格電圧にも注意します。
- 照代さん
- コンデンサに関してのお問い合わせで、「モーターを結線図どおりに配線したのにモーターが回らない。手でシャフトを回したら、回した方向に動きだした」という質問も多いわよ。学くん、答えられる?
- 学くん
- え~?よくわかりません。
- 照代さん
- この場合、コンデンサ部の接触不良や断線がないかを確認してもらうんだけれど、その方法として、コンデンサの端子間電圧を測定してもらい、モーター電源電圧の1.5倍以上あるかどうかを見てもらっているの。1.5倍以上にならない場合には、コンデンサが正しく働いていない可能性があるからなのよ。
- 学くん
- なるほど!
- 照代さん
- それから、「モーターを一方向回転で使用するのにコンデンサは必要なの?」というお問い合わせを受けることもあるわ。そういう時は、コンデンサは起動時のトルクと回転方向を定めるために必ず必要になることをお伝えしてね。
- 学くん
- コンデンサって意外に働き者だったんですね。
- 照代さん
- 単相動力用モーターにとってコンデンサはなくてはならない存在なのよ。
- 学くん
- はい!僕もお客様にとってなくてはならない存在になれるよう頑張ります!
- 2022年4月 最新の情報に更新しました。